飛べない鳥に、口づけを。
ようやく訪れたリア充ライフに戸惑い、胸を焦がしながらも、胸の中にはしこりのように残っていた事実。
……そう、今朝の出来事だ。
あたしは樹君に心無いことを言い、それをまだ謝っていない。
優しい樹君はなかったことにしてくれているが、あたしにはそうすることなんて出来ないのだ。
大きく息を吸い、
「あの……樹君?」
弱々しい声で吐く。
このままなかったことに出来たら、どんなに気が楽だろう。
だって……やっぱり怖いから。
樹君がその言葉に何を思い、どんな反応をするかが。