飛べない鳥に、口づけを。
言葉に出したら、どんどんと思いが溢れてくる。
あたしは俯いたまま、ただひたすら思いを告げていた。
「あたし、知らなかったんです!
樹君が会社員だと勝手に思っていて……
でも、樹君の怪我は、選手生命をも左右するって言われているんですよね?
そんな樹君に、なんて心無いことを言ってしまったんだろう。
他人が軽々しく口にする話題ではなかった……」
「菜緒ちゃん?」
樹君は、酷い言葉を浴びせるかもしれないと思った。
いや、むしろ浴びせて欲しかった。
それほどまでに、あたしは無神経だったのだ。
だけど、
「菜緒ちゃん?敬語」
樹君はいたずらそうに言う。
そして、その笑顔のまま静かに告げた。