支社長は取り扱い要注意！
Chapter３

いろいろな初めて

その翌日の昼休み、わたしは弁当を手に持つと食堂へ顔を出した。

当たり前だけど、食堂にはたくさんの人たちがいた。

入社して５年目になるけれど、食堂を利用するのは今日が初めてである。

あまりの人の多さにやっぱり自分のデスクに戻って食べようかと思っていたら、
「あれ、高畑さんですよね？」

その声に視線を向けると、ゆるくパーマをかけた茶色の髪の女性社員がいた。

確かこの人は、隣のデスクに座っている平野さんだったと思う。

「あ、はい…」

わたしが呟くように返事をしたら、
「えっ、どうしたんですか？」

平野さんは驚いたと言うように聞いてきた。

「えっと、食堂でお弁当を食べようと思いまして…」

呟くように質問に答えたわたしに、
「ああ、そうだったんですか」

平野さんは納得したと言うように首を縦に振ってうなずいた。
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