幕末の恋と花のかおり【After story】
「花織きょうすっぴんじゃん」
同期のみさほ。
「寝坊したのー」
あはは、と笑いながら答える。
幕末では当たり前のようにお化粧なんて出来なかったから、こういうふとした会話で、私は今は平成のいわゆる"JK"なのだと、自覚する。
もう私は、こっちがわの人間なんだ。
……もう過去には、戻れないんだ。
実際、平成には何一つ不便な点はない。
だけど、ただただ、寂しい。