由良先輩はふしだら
「っていうか、美子、耳つけなくてもめっちゃ可愛いよ」
「えっ、そんな!ダメです!今日は先輩と2人で耳つけて歩くんです!その約束です!」
先輩に言われて、改めて自分の格好が変じゃないか確かめる。
メイクだって、少し頑張って、髪の毛も少しふんわり巻いてみたんだ。
そして、白の薄手のニットの上から、ベージュのキャミソールワンピ。
そう、先輩と同じ、ブラウン系を基調としたコーデ。
実はこれ、私が先輩に頼んでそうしてもらったおそろコーデなのだ。
「この耳を一緒につけて回る約束です!」
そう言ってリュックから私が取り出したのは、今から行くテーマパークで人気の、クマのキャラクターの耳だけをデザインしたカチューシャ。
2人でキャラクターのお揃いの格好をして先輩とデートしたい。そんな私の願いを先輩は進んで聞いてくれて、それに合わせたコーデをしてきてくれたのだ。