由良先輩はふしだら
「不思議だね、美子になら全部話せちゃうって思ってる自分がいる」
先輩はそう言って一口コーヒーを飲むと、周りの景色を少し眺めてから口を開いた。
「小林愛菜……先生は、俺の幼なじみで隣同士だった。お互いにひとり親家庭で放課後や学校のない日は常に一緒にいた。いつだって愛菜は嫌な顔1つせず、俺の面倒を見てくれてた。そんな彼女のこと自然と女として好きになってて」
『女として』
さらっと言われたその台詞に、キューと胸が締め付けられるのと同時に、ドキッとした。
「気持ちに気付いた頃には、彼女と自分の年齢の差が、すげーでかいものだって気付かされて。しかも、愛菜が教師になりたがっていたのは前々から知っていたことだし、愛菜がどんどん遠くに行っちゃてて」
由良先輩は、今まで、このことを誰かに話す予定であったかのように、スラスラと説明をしてくれる。
先輩は小林先生のことが好きで、大好きで、それでもどこか自分たちの関係を客観視できているようにも見えた。
やっぱり先輩は、そういうところどこか大人だ。