由良先輩はふしだら


「きっと、小林先生にとっても由良先輩との関係が大切だから、先輩に告白させなかったんじゃないですか?」


「えっ、」


私のセリフに先輩がきょとんとした顔をする。


「由良先輩も小林先生もすんごく優しいんだと思います。お互いにお互いを思って今に至るんだって」


「どんなフィルターかけたらそんな風に見えるの」


先輩はハッと笑って再びコーヒーのストローに口をつける。


「小林先生は、先輩との幼なじみという特別な関係や生徒と先生っていう関係を壊さないため、先輩だって、本当は、小林先生の取り巻く環境を考えた上で直接的な告白はしなかったんじゃないんですか?」


「……っ、そんなこと」


「絶対そうですよ。自分の気持ちばかり優先していたら絶対できないことです。2人ともすごく優しいし思いやりがあるから」


「違うよ、俺は臆病なだけ。まっすぐ向き合って切り離されたらそれこそどうしていいかわからなくて怖いから、遠回しなやり方ばかりなんだ」


顔のパーツどこをとっても完璧で、勉強も運動もできないことは何もないってぐらい完璧な由良先輩の、自信のない声。


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