由良先輩はふしだら


「でも全部先輩のおかげで助かりました。手の怪我だって由良先輩がすぐに保健室に連れてってくれたし、今回だって、こうやって助けてきてくれて……」


もう二度と、話せなくなるんだと思った。
それが今、目の前に先輩がいて、手を握ってもらっていて。


先輩の迷惑になっていることは重々承知だけど、それでも嬉しいって気持ちが勝ってしまう。


「それに、本当に先輩のせいじゃないんですよ。今回のことは私があまりにもバカ過ぎたから……先輩が事故に遭ったなんて聞いたら居ても立っても居られなくなって。あの人たちも呆れてました。ほんと、バカですよね、知らない人の車にノコノコと……」


話しながらだんだんと視線が落ちていく。


我ながら本当にバカだ。


悔しい。


あんなの振り切って逃げていたら先輩たちを巻き込むこともなかったのに。
日高先輩が杏樹さんのことを見つけてくれなかったら、今頃私……。




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