由良先輩はふしだら


「えっ、ちょっと待ってストップ、待って、ふっ、はははっ、ははははっ」


「……まぁお前に話したところで絶対笑われるの目に見えてたからいいけど、思う存分笑えよ」


「あぁ、お言葉に甘えて笑わせてもらう。ぶっ、はははっ、だって、傑作じゃんっ、あの由良広真が、美子ちゃんにキスされただけでこんな赤くなるってっ、えっ、あの子ほんっと予想を遥かに超えてくるよね、なんの才能なのまじ、無理、腹痛い」


教室を出て、階段の踊り場に宙を連れてきてことの経緯を説明したら、案の定爆笑された。


ほんっと、自分でも自分がわからない。


壁に背中を預けてもたれたままそこに座り込む。


今まで、平気で愛菜の代わりそして美子に触れたやつの状態じゃない。


でも……初めてちゃんと、美子のことを……。


「広真。お前、美子ちゃんに惚れてんじゃん」


「……っ、」


また身体中が熱を持って、すぐに宙から目をそらす。


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