由良先輩はふしだら


「あっ、これは、えっと……」


なんとか逃れようと言い訳を考えるが思いつかない。


「3年の由良も、お前らどうし─────」


「行くよ、美子!」


「……っ!」


先生が立ち止まって話している途中、先輩が声を出して、先生の横をスルッと走り抜けた。


そして、あっという間に階段を降りて、走り続ける。


私は、先輩のスピードについていくのに必死だ。


後ろからは「おい、お前ら!」なんて佐藤先輩の声が聞こえて。


後からお説教かもしれないけど、今の私にとってはそんなことどうでもいい。


今、先輩と同じ風を、空気を、スピードを感じている。


そう思うだけで、嬉しくってたまらなくて。


先輩の走るスピードが、ちゃんと私に合わせてくれていることもしっかり感じられて。


どんどん走る先輩の、大きな背中を見つめて。
私たちはあっという間に、昇降口へとついて、先輩に言われた通り急いで靴を履き替えて。


校舎を出て、さらに校門へと走った。

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