由良先輩はふしだら


「……嘘っ、」


「俺が嘘言ってるように見えるの?」


先輩の赤い顔と、そんな顔とは正反対の温度をしている冷たい手。


恥ずかしさと緊張、っていうのが、なんとなく私にも伝わってきて。


「今の俺、すげーカッコ悪い顔してるよね。けど、隠す余裕ないくらい、必死だから。誰にも取られたくなくて、今すぐ俺だけの女の子にしたいって」


ずっとずっと大好きで、遠くで見ているだけで、それでいい、それが幸せだって思ってて。


それなのに、偶然、あの外階段で出会って告白してからというもの、そんなんじゃ全然足りなくなって。


誰よりも一番近くで、由良先輩の笑顔が見たくて。


先輩の一番好きな人を知って、代わりだってわかってても、笑っていて欲しくて。


どんどん欲張りになって。


『女の子として、由良先輩に見てほしい』


絶対叶うことなんてないと思ってて、でもなによりも大きな夢で、願いだったから。


< 240 / 300 >

この作品をシェア

pagetop