由良先輩はふしだら
先輩は、私が泣き止むまで何も言わずに。
まるで、思う存分枯れるまで泣け、と言われるようで。
午後の授業開始のチャイムが鳴りやんでから少しして、ようやく呼吸が落ち着いて、涙が止まる。
「なんで日高先輩いるんですか」
「うわ今更、時間差エグ」
先輩がそう言いながら空を見上げると、風が吹いて、彼の真っ黒な髪がなびく。
「階段降りてくる栞ちゃんに声かけたのに、無視するから、あと、泣いてたから」
『泣いてたから』
と言う声が、あんまり優しくて、また泣きそうになる。
日高先輩が優しいのは気持ち悪いのに。
「美子にどんな顔していいかわかんなくて。由良先輩に別れてほしいって伝えたこと美子に言いました。言ったら少し楽になるのかなと思ったけど自分のしたことの最低さをより痛感して、もうどうしたらいいか」