由良先輩はふしだら
「昼休み、終わるよ」
「……」
校舎裏の木陰に座って、止まらない涙を何度も拭っていると、影ができて、そんな声がした。
苦手な声。
この人にはなんでも見透かされてて、気にくわない。
日高先輩は、それ以外何も言わず、私から少し距離をとって腰を下ろした。
美子が熱を出して寝込んでお見舞いに行った帰り、『教えてくれないと、美子ちゃんに、広真を脅したの君だってバラすよ?』なんて言われて渋々連絡先を交換してしまって。
結果、土曜日に彼から電話がきて。
美子が大学生に襲われそうになったこと、裏で糸を引いていたのは学校で美子に嫌がらせをしていた人だったこと、由良先輩と日高先輩がそれを助けたこと。
美子は、由良先輩に傷つけられてもそれを傷つけられたと感じていなくて、むしろ大好きな彼と過ごす時間を全部幸せだと思っていて。
逆に私は?美子のそばにいながら、由良先輩みたいに助けることもできないで、ただただ、美子に辛い思いをさせていただけ。
こんなのが、友達なんて、言えるわけ。