由良先輩はふしだら


「……俺、人生で反省文書いたのなんて初めて。誰かの手を掴んで学校抜け出したのも。美子のこと好きにならなかったら、経験できなかったことばっか」


窓の外を見つめながらそういう先輩の顔が、オレンジ色に染まってて、いつもより増して色っぽい。


近くで見てもやっぱり綺麗な顔立ちで。
吸い込まれそうで。


「お付き合い初日から、先輩の初めて、たくさんもらっちゃってすみません」


照れ隠しで、へへへと笑い声を混ぜる。


自分で言ってて恥ずかしい。
先輩の初めてもらっちゃって、なんて。
よくもまぁ、そんな小っ恥ずかしいこと。


「俺だってそのつもりだし」


「へっ、」


ボソッと言われた先輩の言葉をもう一度聞き返す。


「なんでもないから。早く書いてって」


「え〜、だってこれ書いちゃったら先輩との時間減るじゃないですか……」


1分、1秒、先輩との時間は多くいたい。

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