由良先輩はふしだら


「だって……嬉しいですもん。学年違うと、先輩と同じクラスなんて絶対なれないし。だから、こうやって、並んで教室で座ってるの、嬉しいです」


「……なにそれ、」


ボソッと由良先輩がそういうのが聞こえた。


「えっ、あ、違っ、今の気持ち悪かったですよね!撤回です!すみません!」


私が慌てて前言撤回していると、先輩はスッと立ち上がって、私の前の席へやってきた。


すると、こちらに身体を向けて座った先輩。


「……っ、」


先ほどよりも一気に縮まった距離に、心拍数が一気に上がる。


「早く書いてよ、帰れないじゃん」


今度は私の机に頬杖をついた先輩は、反省文をトントンと指で軽くたたいてからそう言った。


仕草ひとつひとつがいちいちかっこよくて見惚れてしまう。


先輩は早く書いてなんて言ったけど、正直この時間、終わってほしくない。


オレンジ色の窓の外と、誰もいない教室に、遠くから微かに聞こえる運動部の声や、吹奏楽の音。



止まってほしい。


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