由良先輩はふしだら





「お邪魔しまーす」


そう言って、案内されたリビングに向う。
包帯してる方の足をかばいながら歩く勝地。


「そこ座っといて」


「あぁ、ダメ!勝地も座って!」


なにやらキッチンに向かおうとした勝地に慌ててそういうと、勝地はまだ不機嫌顔のまま、長めのソファにドスンと座った。


「足、大丈夫?」


「大丈夫なわけねーだろ。なのにお前が来るから」


「あっ、ごめんっ!」


そうだよね。あんまり心配で、どんだけ落ち込んでるのかとかばっかり考えて肝心なこと考えてなかった。安静にしなきゃいけないのに。


「お家の人は?」


「午後から仕事行った」


そっか、じゃあ勝地、今お家で1人だったんだ。


「落ち込んでるだろうなって心配で……」


「は?」


コンビニ袋の中を確認していた勝地が、眉間にしわを寄せてそういう。


「だって……」


「ほんとバカなぁ〜、小柴って」


「えっ、」


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