由良先輩はふしだら


「で、何」


足首に包帯巻いた、不機嫌極まりない勝地が出てきた。


それもそうだ、今まで今回の試合に備えて頑張ってきたのに、それがなくなっちゃうだもん。


でも、次があるし、勝地はその時に力をまた発揮してくれると思うから。


「あ、今日の授業のノートコピーをねクラスみんなで分担して、勝地に渡そうって話になって」


「知ってる」


「あ、うん、だから、その、持ってきたよ!」


堂々とノートのコピーを見せると、勝地がため息をついた。


「クラスのグループメッセージで、俺にノートの写真送るってってことだったろ。なんで直接持ってきてんの……」


「あっ、それは……まぁ、そうなんですけど……」


「あぁ、あれか。先輩たち修学旅行だから放課後暇で」


っ?!


「べ、別にそんなこと!」


「図星かよ。……入れば。なんか持ってきてるみたいだし」


勝地は私の手にあるコンビニ袋をチラッと見てそういうと、そのまま家の中に入っていった。


「あっ、ちょっ、」


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