由良先輩はふしだら


バンッ


気が付けば、私からボールを奪った相手チームの子とぶつかった拍子で、コートに手をついて転んでいた。

ほとんどの人がバスケに夢中で私が転んだことなんて気付いていない。


ぶつかって来た子だって、立ち止まりもしないんだも。


「美子!大丈夫?!」


慌てて栞が駆け寄ってきてくれたけど、転んだのが恥ずかしくてすぐに立ち上がろうとコートに手をついたら、


ズキン


手首に痛みが走った。


「美子……」


「平気平気!いつものやつ!また何もないところで転んじゃった!栞!早くいってきて!ボール取られた!」


チームメイトが栞の名前を呼んでいるのが聞こえる。


私が笑って見せると、栞は眉を歪めて悔しい顔をしてから、みんなの方へと戻った。


ここで私のせいで試合が中断されるのは申し訳ないし。でも……さっき、私にぶつかってきた子、わざと……だったよね?


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