由良先輩はふしだら


「じゃ、私はこれで」


栞は静かにそういうと「明日ね美子」と手を振ってから、すぐに自分の靴箱の方へと向かっていった。


私と由良先輩の関係をあまりよく思ってないはずなのに、こうやって気を利かせてくれるところも大好きだ。


栞の背中を見送ってから、先輩の方へと目線を合わせる。


「先輩、何聴いてたんですか?」


先輩のこと、なんでも知りたい。
どんな些細なことでも。


「あー、美子知ってるかな」


「……へっ?」


タイトルや歌手の名前を教えてくれると思った。
口頭で。


でも、由良先輩は、何も言わないまま、片方のイヤホンを私の耳元に近づけてきた。


こ、これって……!


いわゆる、カップルがやる、イヤホン半分こってやつじゃないですか先輩っ!


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