由良先輩はふしだら





午後の授業全てが終わり、SHR終了とともにチャイムがなって、クラスメイトが一斉にざわつき始める。


さっきの授業で痛めた手首は、放課後になってもなかなか痛みが和らいでくれず。

全然集中できなかった。

何度も少し動かしてみては、『痛っ』と心の中でつぶやいたし。


「今日も由良先輩とだよね?」


気を使って小声でそう声をかけてくれる栞に、コクリと頷く。


「わかった。たまには私とも帰ってよね〜」


栞は私の頭を軽くわしゃわしゃと撫でると「スリッパ返しに行くの付き合う」と言ってくれたので、一緒に、教室を出た。


一階に降り、栞と一緒に事務室に寄ってスリッパを返してから靴箱へと向かう。


「美子っ」


優しく透き通るような声で私を呼ぶ声がすると、靴箱の側面に身体を預けてイヤホンをしていた先輩がイヤホンを外しながら、こちらに手を挙げているのが見えた。

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