プレシャス~社長と偽りの蜜月~
後片付けは最後まで手伝い、先に部屋に戻った雅人の元に戻った。


部屋に入るとパソコンのキーを弾く音が耳に入った。

雅人がベット脇の小さなサイドテーブルに持って来たノートパソコンを置いて仕事をしていた。


「ご苦労様」

「仕事してるの?」

「ああ」
雅人は素っ気なく返した。

「コーヒーでも淹れようか?」

「それよりもバンダナ外せよ」

「もう外してるし・・・」

「奥さんにキスマーク見られてしまったんだろ?」

「そうよ。わかってたの?」

「付けた本人だしな」

「こんな目立つところには付けないでよ」
私は怒ったふりをする。

「今度は人には見えない所に付けるよ」

「別に付けなくてもいい」

「俺のモノなんだし、付けるよ」

ノートパソコンをスリーブ状態にして閉じてしまった。

「仕事はおしまい?」

「朱音が戻って来たんだ。仕事はおしまい。風呂入ろう」

「一緒に?」

「一緒だ。先に入るから来いよ」
雅人は立ち上がってTシャツを脱ぎながら奥のバスルームに行ってしまった。


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