水晶の探偵
「国枝さんは、私達にそのパーティーに行けって言ってるわけですね?
精一杯の笑顔。
若干引きつる顔。
「そうだよ。そうすれば北宮親子に会えるし、うまくいけば南城親子にも会えるかもしれない。
北宮親子について調べられて、香恵さんの話も聞ける。
まさに一石二鳥ってわけ。
よろしく頼むよ〜」
この人は…
自分たち(響を含む)だけに頼むならまだしも、友達まで巻き込むなんて…
自分勝手なヤツ。
「国枝さんって何でそんなめちゃくちゃばっかり言うんですか…」
「そう?割と良い作戦だと思うんだけど」
ケロッとした態度にますます呆れてしまう。
こういう大人はやっかいだ。
なぜなら一度決めたらなかなか引いてくれないからだ。
「まぁ、確かに国枝さんの言ってることはめちゃくちゃだけと、悪くはない。
この仕事を成功させることを一番に考えたらだがな。
後から“議員の息子娘が駈け落ち”ってなるより良いんじゃないか」
響にきっぱりと言われ言い返せない晶。
また、ため息を付くと仕方なく合意した。
「もう、どうなっても知りませんからね!!」