水晶の探偵
「ちゃんと最後まで聞けよ、真古」
今まで黙っていた響が言葉を発した。
仕方なく黙り込む晶。
国枝は安心したかのように笑うと再び口を開いた。
「確かにちゃんと北宮親子について調べるのは普通の高校生には難しい。
でも君ら2人は高校生探偵。
そのうえ、晶ちゃんにはこういうことについての強い味方がいるだろ?」
ニヤリとした笑いを不審に思いつつも、思考を働かせる。
こういうこと――北宮親子の情報
――政治的問題
――北宮知也・和也は政治家
――政治家…。
――国会…議員!?
呆れそして迷惑。
2つの感情を顔全面に押し出す。
「…その感じ、気付いたみたいだね」
楽しそうに笑う刑事。
―――コイツ、お父さんに言い付けてやる
小さな決心を胸に抱き、ため息混じりで言葉を出す。
「つまり、美晴…青葉美晴に頼めと…」
「そゆこと。よくできました」
国枝がウェイターの持ってきたコーヒーにミルクを入れながら、ニコニコ笑顔で答える。
「上手く青葉議員は南城と北宮と同じ党だからね。
確か近いうちに政党関係者とその知り合いを招いたパーティーがあるはずだから」