恋の人、愛の人。
ブー、…。『ハルちゃん』
【さっきは有り難う。それから、抑制が効かず色々何度も暴走してすまなかった。本当に申し訳なかった。会社にきちんと戻ったから。気にしてくれていると悪いと思ったから。晴海】
…部長。何だか、…。
【日曜の約束は無くなった訳ではないから、別の用は入れては駄目だ。先約に私が居ると断ってくれ】
あ、急に、フフ、忠実になっちゃった感じですね…。はぁ。
日曜の話って、多分、稜の事を話すはずだったのよね。その話がなくなったから日曜はもういいですよねって断ると思ったのかも知れない。
【今夜も、明日も会いたい】
…え゙ー!?
【と、言いたいくらいだ】
もう…これ、何…本当に部長ですか。…。
…そうだ。さっきから送って来るばかりで、私が全然返さないから、何かしら待ってるのかも知れない。
【会社に戻っただけでは駄目です。仕事してください。武下】
【解ってる。じゃあ】
あ、はぁ…。やっぱりだ。あっさり終わった。
…あ゙。何だか色々あったから、部長なのについこんな、馴れ馴れしい物言いをしてしまった…。
【すみませんでした。偉そうな事を言ってしまって、申し訳ありませんでした】
部長に仕事してくださいって言うとか、有り得ないから…。
…。
どうやらもう仕事してるみたい。
メールが返って来ない事はいい方に取る事にしよう。
何度も抱きしめられたからだろうか、…何だか…微かに部長の香りがした。