秘め恋

「そっか……。じゃあ勝手に運転させてもらうわけにはいかないよね。どうしよっか……」

 アオイの思案顔を見て、マサはさも今思いついたかのようにこう提案した。

「ご飯の後、どこかで停車するから少し仮眠させて。そしたら最後まで運転できるから」

「うん。分かったよ」

 アオイは快く頷いた。マサは内心、歓喜の声を上げた。これでアオイと共有する時間が増える! ただただ嬉しかった。

 駐車場に戻った二人は車に乗り込むなり夕食の話をした。

「マサは何が好きなの?」

「何でも好きだけど、今はハンバーグの気分」

「ハンバーグかぁ、なんか可愛いね」

「また子供扱いー。アオイは? 何が好き?」

「甘い物が食べたいな。パフェとか、クレープとか」

「そっちの方が子供っぽい」

「スイーツはオトナのたしなみなんだよー」

「だったらハンバーグだって男の料理でしょ」

 お互い変なところで意地を張り、笑い合う。

 今、すごく楽しい。

 二人の気持ちはまたもやシンクロした。互いにそのことには気がつかないまま……。
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