あの日みた月を君も
「リョウが興味ないなら、その男子紹介してよ!」

「なんだそれ。」

なんというか、単純ていうか。思わずあきれた顔でショウコを見た。

「紹介するほど仲良くもないし。無理無理。それに、女子紹介して喜びそうにないタイプだわ、あれは。」

「なんなの?普通のイケメンじゃないって事?」

ショウコの言う普通のイケメンがどんな人を指してるのかは不明だけど、私はとりあえず深く頷いた。

「っていうかさ、男のくせに月を見るのが趣味なんだって、変じゃない?」

「リョウだって好きじゃん。」

ショウコはきょとんとした顔で私を見た。

「ま、まぁ、私もそうだけど、男子で月が趣味なんて絶対変だって。気持ち悪いし。」

「いいじゃん。月見るなんてすごくロマンチストって感じでさ。将来天文学者とかなってそうじゃない?」

「まじで言ってる?」

思わず自分の眉間に皺が寄った。

「周りの男子ってさ、皆ずけずけ物いうし、はしたないし、がさついてるし、どうもときめかないのよー。月が好きなんてしゃれたこと言う男子にお目にかかりたいものだわ。」

ショウコは両手を顔の前で組んだ。

正気で言ってるなら馬鹿じゃない??

スプライトを思いきりすすったら、鼻がツンとした。

「じゃ、来月学園祭があるからショウコ来る?誰でも来ていいらしいよ。」

「本当!もちろん行く行く!」

ショウコは目をらんらんと輝かせた。

ふぅ。

学園祭ねぇ。

こないだうちのクラスが何するか決まった。

本当に嫌で嫌でたまらないんだけど。
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