福があるにも程がある! 〜残りものは、噂のイケメン御曹司でした〜
「一体どういうことなんですか」
「いや、どういうことって言われてもなぁ」
「さっきの訳の分からない言葉もそうですけど、そもそも、西宮さんがどうしてここにいるんですか」
披露宴が始まり、自分の名前の書かれたプレートの置かれているテーブルに腰をかけると、私の左隣は永田くんで、右隣の席は西宮さんだった。
私は、西宮さんが席に着くなり食事を進めながら西宮さんを問い詰める。
「俺は、新郎の晴人の高校時代の同級生だから招待されたってだけだよ。あと、さっき高橋さんに言ったことも強ち間違いでもないかもしれないじゃん」
「はあっ⁉︎ 間違いです!大間違いですっ!」
西宮さんが優佳に招待されたわけではないことくらいは分かっていた。新郎の晴人さんは優佳や私より一つ年上の34歳。西宮さんと同い年だし同級生で招待されたということは理解できた。
しかし、平気で優佳に勘違いを招くような言葉を発したことはどう考えたって理解不能。
「信じられないです」
むすっ、と頬を膨らませて目の前にあるステーキを一口分、口に運ぶ。
そんな私を見ながらくすくすと笑っている西宮さんは、つくづく何を考えているのか分からない。きっと、私のことをからかって面白がっていることは間違いないですだろうけれど、こんな事をして何が楽しいのかさっぱり分からない。