1日10分、俺とハグをしよう


ほっこりしてた私に声をかけてきた志摩くんにそう聞き返すと、
またため息をつかれるわけで。




「腕、濡れてる。もっとこっち寄れば?」


「あ、本当だ…」




んでも、ただでさえ一つの傘の下は狭いのに

これ以上近づくのは申し訳ないというか…




「これぐらい大丈夫だよ!」


「…。」


「あんまり近づかれるのも嫌でしょ?」


「はぁーーーー…」




キッと軽く私を睨む志摩くん


だ、だから何で…!?





「…いーから、寄れって」


「わっ…!」





いきなり腕を引っ張った志摩くんのせいで、

一気に距離が近づいた


う、腕、くっついてるし…




「…あの、志摩くん?」


「なに」


「こ、これ…かなり近いけど嫌じゃ、」
「嫌じゃないからこうしてんでしょ」


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