1日10分、俺とハグをしよう


面倒くさいなぁ、って思ってる。

…絶対、思ってる!


あの顔はそうとしか考えられない!




「何番ホーム?」


「あ、えと、2番…」




いつのまにか着いていた駅


傘をたたむ志摩くんの左腕を見たら、
雨に濡れてカーディガンの色が変わってた




…バカはどっちだっつーの。




「志摩くん、傘ごめんね」


「….別に」


「…入れてくれてありがとう!」


「…。」




ニコッと笑って見せると顔をそらす


それから、ちょうど来た電車に2人して乗った




「…文化祭、楽しかったね〜」




ガタンゴトンと動く電車の中


ドアに背中を預けている志摩くんにそう言うけど、

何にも答えてくれない


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