人間複製機
☆☆☆

翌日、家を出ると大雅が待っていてくれた。


「どうしたの?」


と聞くと「一応な」と、ぶっきらぼうに返事をされた。


昨日の話を気にしてわざわざ迎えに来てくれたようだ。


そんな大雅も今日のあたしを見てほんのりと頬を染めている。


真新しい化粧品で飾られたあたしは、背筋を伸ばして学校へ向かう。


来ている服が制服じゃなかったらもっと素敵だったろう。


教室へ行くまでにすれ違った友人たちが驚いた声を上げる。


「今日はどうしたの? 綺麗だね」


「マキってそんなに大人っぽかったっけ?」


そんな言葉を聞くたびにあたしの気分も高揚して行った。


だけどあたしが化粧をする理由はただ1つ。


陸人に見てもらいたいからだ。
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