人間複製機
弘樹は一瞬瞬きをして、それから表情を徐々に緩めて行った。


「なんで、それを……?」


やっぱり、ナオが街で見かけたあたしは複製されたあたしだったんだ!


「柚香に聞いたよ。弘樹に女のイトコなんていないって事」


そう言うと、弘樹は黙り込んでしまった。


「でもすごいよねあの機械。人間まで本物そっくりに複製できるんだ」


「なにが言いたい?」


そう聞かれてあたしはニヤリと笑った。


「どうやって人間を複製するのか教えてほしい。そうすれば機械は返すし、大雅に吹き込んだデマも取り消す」


陸人を複製させるのだ。


そうすればあたしは陸人を手に入れることができる。


お金だって、返す前に大量に複製しておけばいいだけのことだった。
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