人間複製機
アルコールを摂取した後のように何を言っているのかわからなくなる。


「ちょっと陸人どうしたの?」


驚いてそう聞いても、陸人は何を言っているかわからない言葉で返事をしてくる。


本人はちゃんと喋れているつもりなのか、笑顔のままだ。


「陸人、どうしたの?」


不安になり、陸人の肩に手を置いた。


その瞬間、陸人の体がずるりと剥がれ落ちたのだ。


ヒッと悲鳴を上げて手をひっこめる。


崩れ落ちた陸人の体は真っ黒に変化し、ドロドロのスライム状になっている。


異臭が鼻を刺激して、あたしは咄嗟に部屋を出た。


一体どうなってるの!?


焦りながらスマホを操作し、弘樹に電話をかけた。


弘樹は数コール目で電話に出てくれた。


「ちょっと、どういうこと!?」


『どういうことって、なにが?』


「陸人の体が崩れ始めたんだけど!」
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