人間複製機
☆☆☆

今日は沢山お金を複製しよう。


デート用の服やバッグ、靴も必要だ。


サッカー観戦だからあまり気取ってなくて、それでも可愛い服を買わなきゃならない。


そう思って足早に家への道を歩いていた時だった。


「マキ!!」


と、声をかけられてあたしは立ち止まった。


振り向いた瞬間しかめっ面を浮かべて再び歩き出す。


あたしの名前を呼んだのは弘樹だったのだ。


もうあたしに関わってこないと思っていたのに、しつこい男だ。


「待てって! 話を聞いてくれ!」


弘樹は大きな声でそう言いながら駆け寄って来る。


下校中の生徒たちに視線を浴びて、あたしは弘樹を睨み付けた。


「なによ」
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