人間複製機
それから数時間後、ようやく授業が終わってあたしと弘樹は肩を並べて教室を出た。


クラスメートたちから視線を感じたけれど、この際どうでもいいと思う事にした。


陸人に勘違いさえされなければ、あとは我慢する。


「俺の家の方が少し遠いよな」


歩きながら弘樹がそう言って来た。


「そうだね」


あたしは興味のない返事しかできなかった。


あたしの興味は弘樹にあるんじゃない。


弘樹が持っている複製機にあるんだ。


そう思うと、どうしても会話は続かなかった。


それでも弘樹は嬉しそうだった。


あたしと一緒に帰るだけでこんなに嬉しそうな顔をする人がいるんだと、改めて知った気分だ。
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