愛しのエマ【完】
「座って食べよう」
副社長は私を高そうなソファに座らせ
お弁当箱を取り上げて勝手に広げる。
ちょっと待って
節約お弁当が恥ずかしすぎる。
それでも副社長は、私のお弁当を見て感動していた。
「この玉子焼きはミルフィーユみたいですね」
「重ねて巻いてるだけです」
「赤いウィンナーがキュートです」
「安かったので」
「チキンも美味しそう。これは何です?」
「ちくわにキュウリが入ってます」
「アメージング……」
スパイダーマン?違うよね。
「恥ずかしいから返して下さい」
「エマじゃなくて」
「総務の宮本奈緒です」
「奈緒さん、お願いがあります。このランチと僕のランチを交換してもらえますか?」
「はい?」
「柳家さんのウナギって言ってました。ウナギは苦手で」
ウナギ?柳家のウナギったら
ハンパなく高いよ。
そんな私の節約お弁当と交換なんて
「問題ありません。交換しましょう」
即答に決まってるでしょう。
私が答えると副社長は大喜び。
これで私も
今週の栄養が取れます。