愛しのエマ【完】
外見も素敵だけれど
内面も素敵な人……じゃなくて。
惚れちゃダメ。
私はエマさんの代用品です。身分をわきまえろ!
自分に気合を入れてたら
「奈緒さん」って名前を呼ばれた。
「はい」
慌てて傍に寄ると
「これ、どうだろう」
副社長は白いソファに服を数着並べていた。
色合いがとっても優しいアイボリーのブラウス
小花模様の切り替えワンピース
茶色のスーツはジャケットの裾が長くておしゃれ
襟の広いトレンチコート
愛らしいピンクのチュールニットブラウス
黒いレザーのトートバッグが使いやすそう
おしゃれ。
目が回る。きっと値段も目が回りそう。
「とってもいいと思います。絶対喜びます」
心から言うと満足そうな顔をする。
「喜んでもらってくれるかな」
「絶対喜びます」
「『いらない』って、返されたらどうしよう」
「絶対それはないです」
「絶対ない?」
「こんな素敵なプレゼント。女性なら大喜びですよ」
エマさんに送るのでしょう
絶対喜ぶ。
「よかった。安心しました。それじゃ持って帰るのは大変なので、奈緒さんの住所を教えてあげて」
「はい?」
「断らないんでしょう」
「えっ?」
「奈緒さんにプレゼント。試着してみてくれる?それとも他の服の方がいい?」
はぁあ!!
私にプレゼントなの?