愛しのエマ【完】

どうしたのかな?
急に言葉を忘れたように
イケメン副社長は黙り込む。

そして
こちらの方をジッと見ていた。
何?どうしたの?

副社長は急にこちらの方に動き出し
私の前までやって来た。

はい?
なんで?どうして私の前で止まる?

副社長は他の景色は何も見えないようで
ただ私の顔を見つめていたと思ったら
急に自分の両手で私の顔を挟み
目をウルウルさせて

「エマーーーーー!」って叫び

大きな体で私に強く抱きついてきた。

頭が真っ白。

いきなり
見ず知らずの人に
もう絶対離さない!……ってぐらいの強い力で抱きつかれた私。

どうすればいいの?

「エマ。会いたかった」

「いや私、宮本奈緒です」

「エマ。愛してる」

「だから人違いですっ!」

大きな声で叫んだら
副社長はハッと我に返り
腕の力を緩めてくれた。

「Oops, I’m so sorry……すいません。本当にごめんなさい。つい愛する子に似てたので。本当にすいません」

身体を離して謝ってくれた。

あ、目がとっても綺麗。
やっぱり肌も綺麗だった。
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