この手で君を、抱きしめたくて
Mission 2. 狙われた命
「本日より神楽大臣の警護を担当致します、特殊部隊隊長の笠原です」

隊長が挨拶をすると、神妙な面持ちで神楽大臣も口を開いた。


「外務大臣の神楽です。あの時1番若かった笠原くんが隊長ですか…感慨深い…あの時以来ということは、12年ぶりになりますね」

「はい、そう記憶しております」


「危険な任務にならないことを祈りたいところですが…とにかく、どうぞ宜しく」

「命を懸けて必ずお守りしますのでご安心を。我らが特殊部隊の8名は、いずれも厳しい訓練の中で能力を認められた精鋭たちです」

「それは頼もしい。ただ…本当に危険な時は、どうか私の命よりも自分の命を大切にしてください」


俺は驚いた。

数々の大物の警護を経験してきたが、こんなことを言われたのは初めてだった。
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