アウト*サイダー

「こ、これは私の趣味じゃないの! 友達と一緒に買い物に行ったとき、もう高校生なんだしって強引に買わされて!! だから今見たの忘れて! ていうか、忘れろ……今すぐにっ! じゃないと一生口聞かないし、一生顔会わさないから!!」

 これは私の人生がかかっている。

 よりにもよって、トクラに無理矢理買わされた物を着けてる時に見られるなんて!

「え、でも、もう目に焼き付いて離れないんだけど」

「はぁ!?」

 上気した頬、恥ずかしそうに目をそらされる。

 いや、あんたは乙女かっ!?

 普通、女の私がする反応なんだけど!

 ケイは鼻血に気づいたらしく指で拭き取ろうとする。けれど、そんなことしたって血が伸びて余計に汚くなってしまうだけ。

 少し冷静さを取り戻してきた私は大きくため息を吐いて、ポケットからティッシュを出す。

「これ、使って」

「ん? ……ああ、ありがと」
< 106 / 466 >

この作品をシェア

pagetop