アウト*サイダー
「こ、これは私の趣味じゃないの! 友達と一緒に買い物に行ったとき、もう高校生なんだしって強引に買わされて!! だから今見たの忘れて! ていうか、忘れろ……今すぐにっ! じゃないと一生口聞かないし、一生顔会わさないから!!」
これは私の人生がかかっている。
よりにもよって、トクラに無理矢理買わされた物を着けてる時に見られるなんて!
「え、でも、もう目に焼き付いて離れないんだけど」
「はぁ!?」
上気した頬、恥ずかしそうに目をそらされる。
いや、あんたは乙女かっ!?
普通、女の私がする反応なんだけど!
ケイは鼻血に気づいたらしく指で拭き取ろうとする。けれど、そんなことしたって血が伸びて余計に汚くなってしまうだけ。
少し冷静さを取り戻してきた私は大きくため息を吐いて、ポケットからティッシュを出す。
「これ、使って」
「ん? ……ああ、ありがと」