アウト*サイダー

 一日の終わりを告げるチャイムが鳴り、一気に騒々しくなる学校。

 私はその雑多の中に溶け込んで教室を出る。

 帰る人、掃除当番の人、部活に行く人、友達を待つ人。とにかく混み合う廊下。私は急ぎもせず、流れを止めることもなく、ただ流されるように進む。

 昇降口まで来ると、そこまで人が密集していないので自分の靴箱まで真っ直ぐ向かい、上履きから靴に履き替える。

 が、どこかから視線を感じ、上履きを持って上げた顔を向けると、同じクラスの女子数人があからさまに逃げていく。

 一瞬見えた表情のどれにも、嫌悪感や怯え……それらを抱くことが普通だと正当化するものがあった。こんなものを見るのは初めてじゃない。だから、一瞬だけだとしても、すぐに分かる。

 あぁ、面倒だ。これも河西が仕掛けたのか。よくやるよ、本当。その行動力だけは、褒め称えてしんぜよう。

 …………面倒、極まりないけれど。
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