アウト*サイダー
自分の席に倒れ込むように座る。須賀さんと篠田さんは廊下側の一番前の席で、やっぱりお菓子を食べていた。
数週間前に行われた席替えで、あの二人と離れてしまった。しかも、教室のど真ん中の席で、周りはほぼ、私と河西さん達のいざこざに巻き込まれないように傍観スタイルを貫く面々で固められた。
ハルちゃんは窓側の一番端の一番後ろの席。河西さん達の溜まり場になっている。
ああ、お腹痛い。
もうクラスの白々しい視線なんか気にせず、発狂してしまいたい。
ていうか、誰だ。毎朝、毎朝、ご丁寧に上靴隠して。一時間目が始まるチャイムまでに見つけてねー! ってか。
う……イライラしたら、駄目。痛い。
とりあえず机にうつ伏せて寝てみる。
こんなに酷い生理痛は経験したことがなくて、ちょっと泣きそうになる。後で、須賀さんか篠田さんに痛み止の薬持ってるか聞こう。
「ハスミ」
背中をさする手と、彼が私の名前を呼ぶ時の優しい声で、目を開けた。
「何、どうしたの」
まるで眠たすぎて寝ていたのだといった感じで、上体を起こして彼を見る。しゃがんで膝を立てているケイは私よりも目線が下で、私を見上げる彼の笑顔に、張っていた気が少し緩んだ。