アウト*サイダー

「体調悪いんだったら、保健室行こう」

 うつ伏せていた時についた寝癖を直してくれながら、私の目を覗き込む。

「大丈夫だよ。病気じゃないから」

「病気ではないけど、体調が悪いってこと?」

 さすがに、生理痛だからとは大きな声で言えない。そういう恥ずかしがり屋な乙女心は、まだ私の中にあるみたい。

「うーん……まぁ、女の子の日だから」

 一応周りを気にして、ケイに耳打ちする。どんな反応されるか分からなかったが、はぐらかすのも面倒だった。

「辛い?」

 “女の子の日”だけで理解できたみたいで、ケイは不安そうに眉を下げる。私の手を握って、壊れ物に触るように背中をさする。

 まさか、そんな反応するとは思っていなかった。というより、産婦人科の待合室にいる夫婦みたいな状況に恥ずかしさが込み上げる。

「ケイ、大丈夫だから。ほら自分のクラスに戻って」

「ほんとの、本当に? だって、さっきは死んだ魚の目みたいな目だったし、今も顔色が……」

「誰が死んだ魚だ、失礼な。早く帰らなきゃ、あんたを三枚おろしにしてやる」

 帰れ、帰らないの言い合いがデッドヒートする前に、リョウスケとダイに連れられてケイが無事帰っていくのを見送る時は痛みが紛れていた。
< 233 / 466 >

この作品をシェア

pagetop