アウト＊サイダー

「と、とにかく、自分の気持ちを無理に抑えるなんてしないで。まあ、堀江君がもし嫌な奴で、あの気持ち悪い……じゃなくて、爽やかな笑顔が生理的に受け付けなくなったのなら新しい恋をしても良いと思うし」

　あわよくば堀江君への幻想を打ち砕こうとする私に対して、ハルちゃんは彼のことを思い浮かべているのか頬を赤らめてうっとりする。私の話も耳に入ってきてないようだ。

　それにしても堀江君の腹黒さには参ったものだ。

　ハルちゃんに自分が近付いたら、河西さんみたいな子が放っておかないことを予想出来なかった訳がない。

　自分がヒーローにでもなろうとしてるのか。河西さんから助けたら、そりゃもう格好良いだろう。気分も良いだろう。

　だって、両思いだもの。結果なんて目に見えてる。

　あぁ、なんて悩ましい。ハルちゃんを応援したい……のに、あの堕天使の憎たらしい笑みがちらつく。

　私が仲立ちするまでもないような気がするのが腹立たしくなって、私は不機嫌にハルちゃんへ手を出し「これ以上、好き勝手にされるのは嫌だから、ね？」と当初の目的を果たすことにした。