アウト*サイダー
もはや、そうだったら良いな、という希望的観測でしかない。それに私が思うに、いくらハルちゃんの為だからといって河西さんを手懐けたところで二人の為にはならない。
ハルちゃんは悩むように眉を下げて、黙り込んでしまった。
いくら私が色々言ったところで、本人の口から聞かなければ意味がないだろう。歯痒い。あぁ、もどかしすぎて、痒すぎて、湿疹ができそうだ。
「ハスミ、駄目だよ。俺の許可なく、その綺麗な肌に傷をつけようとするなんて」
思わず首筋を掻いていた私の手を、気配もなく近付いたケイが後ろから掴んでいて、耳元で囁いた。
ぞわぞわする感覚に肩を飛び跳ねさせてしまった私に、至極の笑顔を至近距離から向ける。その頬を、ぐいぐい押し返してやる。
「ケイに許可する権限を与えたつもりはないけどね?」
「ん? 俺をめちゃくちゃにするのはハスミだけ。ハスミをめちゃくちゃにするのは俺だけ。あの時、そう約束したのに」
「止めて、誤解を招く言い方は……あ、違う、違うよ、ハルちゃん。そんな顔赤く染めて目をそらせないで」
私がケイから離れてハルちゃんの腕にしがみつくと「浮気だ」という低い唸り声が届く。
何を言ってるんだ、全く。やれやれと溜め息を吐いて振り返れば、不機嫌さ全開で睨むケイがいて、ハルちゃんはすっかり怯えてしまっていた。