アウト*サイダー
自分と言い合う内にもどんどん学校が近づいていく。
このまま無視したって、私と彼は知らない者同士だから私は誰からも責められることはないし、彼が私を恨むこともない。
そうだ。彼の友達が気付いて言ってくれるはず。
だから、私には関係ない。
心の中の自分と頷き合って、彼の少し後ろを自転車で走る。
学校の門をくぐり、駐輪場で自転車を止めて、昇降口で靴を履き替える。
その間ずっと彼の後ろ姿を凝視していた。
私のこの視線に気付いてくれて、それで振り返ってくれたら言おうかな。
でも、さっき自分で言わないって決めたじゃない?
何よ、ちょっと教えてあげるくらい悪いことじゃないでしょ。
もしそれがその人にとって迷惑だったらって考えなさいよ。
あぁ、もう! 煩わしいな。何でこんなことで自分と喧嘩しなきゃいけないの!? 私らしくない!
「あのさ!」