アウト*サイダー
一瞬、私が発したかのように思えた。
けれど、男の子の怪訝そうな表情がこっちに向いていて、そういえばまだ口も開けていなかったと思って私は首を傾げる。
「俺に、何か用?」
そう彼が言った瞬間、今だ、と思った。
私はすぐさま足を動かして彼の元へ行き、困惑している様子に気づきながらもそれを敢えて無視して左腕を掴む。
「な、何だよ、いきなりっ!」
抵抗しようとするから中々取れなかったけれど、僅かな隙を狙ってプ〇キュアを無事捕獲することができた。
「これ、付いてたから」
何とも言えない達成感に笑みが溢れる。
しかし、私とはうって変わって、彼は顔を赤くさせて絶句していた。
「え……? どうしたの?」
暫く私の顔を見た後、指に付いているプ〇キュアに目をやって、「あ、いやっ……ありがと、これ多分、妹の……」とボソボソ呟いた。
「へぇ。そっか」
やっぱりそういう趣味ではなかったのか。ほら見ろ、教えてあげた方が良かったんだ。