シンシアリー
「今は特に、これといった大怪我はしてません。えぇっと・・・俺が言いたいのはそういうことじゃなくて!ニンカと俺は、いとこ同士なんです」
「・・・え・・・?いとこ?」
「はい。俺は身内のことを悪くは言いたくありません。何より、ニンカは本当に気立ての良い娘だから。薬局の看板娘でもあるし」
「あ・・・そぅ、だったのね」
「この前、父が妙な誤解を招くような言い方をしてましたが、そういうことなので。姫様には知っておいてほしかったんです」
「・・・分かったわ。わざわざそのことを言うために、ここに来てくれたの?」
「いえ。それだけじゃないです。姫様にこれを差し上げたくて、ここに参った次第です」

ユーグが後ろに隠していた手を前に出すと、そこには木箱が乗っていた。

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