シンシアリー
・・・わたくしと同じ目の色で、同じ目の形をしているのに。
それが、この子の一番魅力ある点でもあるはず、なのに・・・。
今のこの子は、まるで・・・まるで・・・わたくしのことを憎んでいるような・・・敵意に満ちた眼差しで、わたくしのことを見て・・・。

「お、落ち着いて。ヘルメース。外は危ないわ。特に夜は。首切り魔がどこに潜んでいるか分からないのよ」
「それなら心配いらないよ。だって、殺されてるのは皆、女でしょ?それより母上の方こそ、部屋にいた方が安全ではないのですか?首切りが狙ってるのは娼婦ばかりですからねぇ。しかも、母上と同じ年代の。元娼婦の母上だって、もしかしたら・・・」
「なっ、何て侮辱を!わたくしは後宮に勤めていたのであって、“元娼婦”なんかじゃなくってよっ!一緒にしないで頂戴!」
「はいはい。分かりましたよ。は・は・う・え」
「待っ・・・どうしても行くの?ヘルメース」
「ええ。苛立ちを収めるには、剣を振るうのが一番効くので。それじゃあ、おやすみなさい、母上」

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