シンシアリー
「もう夜も遅いし、私は今から出かけたくないの。おやすみなさい、ヘルメース」

そう言ったレティシアは、わざとヘルメースから距離を開けて、ヘルメースの横を通って、自室の方へ歩いた。
が、レティシアが数歩歩いたそのとき。ヘルメースがレティシアの肩に手を置き、自分の方へふり向かせた。

「・・・おまえ、生意気だ」
「な・・ちょっとヘルメース。やめて。痛い・・」
「そうか。痛いか。だったら・・・もっと痛くしてやる!」と叫んだヘルメースは、レティシアの両肩に手を置いたまま、強引に壁際に追いやった。

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