シンシアリー
「・・・そうね。あなたの言うとおりだと思うわ」
「姫様がなぜ女子として、そしてザッハルト家の第一子として生まれたのか。それは誰にも分かりません。ですが人は皆、何かしらやるべきことを背負って生まれてくると思うのです。私は、こんな境遇にいる貴女様だからこそできることが必ずあるはずだと信じております」
「・・・わたしだから、できること・・・」

・・・わたしだからこそできること?そんなものがあるのかしら・・・。
ううん、ある。あるわ。
君主の第一子として生まれたわたしだからこそ、「可哀想な姫」と呼ばれているわたしだからこそ、できることはある!

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